2018年冬休み 西穂山荘でのお正月

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前回の続き 西穂山荘で年越し
正月といっても山荘の朝は早い。
3時ごろにはぼちぼちと起き出して活動を始める人が出てくる。
独標で初日の出を見る人たちはもう準備を始めているようだ。
本当は独標で初日の出を見たかったけれど、初見の山でいきなり暗い中の岩場を歩くのはリスクが高すぎるので丸山で初日の出を見ようと思います。
丸山までは山荘から15分程。
日の出は7時10分ぐらい。
小さなザックに防寒着と最低限の装備を入れて山荘の外へ。

空はうっすらと明るくなり出していました。
ピリッとした冷たい空気が気持ちいいです。





雲ひとつない快晴。だけど、稜線に出るとかなりの強風です。
ゴーグルやサングラスがないと目が開けれないほどでした。

日の出前の30分は空の色が群青色から紫やオレンジ、ピンクと目まぐるしく変わる魔法のような時間。
丸山手前の少しひらけた尾根で日の出を見ることにします。
人がたくさん集まって来ました。みなさん強風に吹かれながら日の出を待っています。

そして、ついにその瞬間がやって来ました。
山の間からオレンジ色の光が山々を照らします。
2019年の始まりです。

いつの季節も日の出は美しいですが、雪山で見る日の出は別格ですね。
あたりを明るく照らし、一気に体も心も温かくなり、まさに希望の光。思わず手を合わせてしまいます。

せっかくなので正月らしい写真を撮ってみました。


初日の出と共に写真を撮ったり、友人や家族にメールを送ったりと初日の出の楽しみ方は人それぞれ。中にはテレビ電話などもしている人もいました。


太陽の日差しとまつげも凍るような強風に吹かれ山荘へ戻って来ました。
朝食を遅めの7時30分にしていたので、日の出を堪能して余裕を持って楽しむことができました。

山荘前の雪だるまも正月バーションに変わっていました。


山荘の朝食はお正月らしくおせち料理。
数の子や黒豆や雑煮などが並びました。山小屋でも立派なおせちが食べれるなんて本当に山荘のスタッフさんには感謝です。

朝食を済ますとみなさん出発ラッシュですね。
靴を履くのも一苦労です。

暖かな山荘を出発して丸山を目指します。


日の出の時間帯は雲ひとつ無かったですが、もうすでに雲が出て来ました。
遠くの景色も見えなくなり、黙々と歩いて丸山に到着。

風が強いせいかあまり人がいませんでしたね。
独標まで行こうかなと思いましたが、風が強く、景色もいまいちそうだったので今回は丸山がゴールとしました。

せっかく独標まで行くなら景色のいい時に行きたいですしね。次はいつになるか分かりませんが、いつか来るその時まで楽しみにしておきます。いつかあのピークの向こう側の景色をみてみたいです。

さて、ロープウェイ駅を目指して下山します。

楽しい年越しをありがとうございました。
素敵な山小屋でした。夏山でも来てみたい山小屋ですね。

下りは一気に下って行きます。
帰り道に気づいたのですが、西穂山荘手前の急登がかなりきついんですね。
登っている時には気にしませんでしたが、帰り道に振り返るとなかなかの急登でびっくりしました。

あっという間にロープウェー駅のエリアまで戻って来ました。

入山する時は晴れていた駅周辺もまっしろけで何も見えません。
観光客もそんなにいませんでしたね。

ロープウェイの乗客もほとんどが大きなザックを背負った登山者ばかり。

厳冬期の北アルプスをほんの少しだけど体験できて、初めての山荘でとっても賑やかな年越しを過ごすことができ、最高に綺麗な御来光を拝むことができ大満足の年越し山行でした。
山荘では九州ではなかなか聞くことのできないアルプスの話や写真をたくさん見せてもらい、刺激的なひと時を過ごすことができました。
九州からはなかなか遠くて来る機会がありませんが、年に一度ぐらいは遠征して山小屋の談話室で一期一会の出会いを楽しむのもなかなかいいものだと思った山行でした。